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「シフォンケーキを作りながら」(6)-1

第一話から読む



 夏休みも近付いた暑い昼休み、私は茜と香奈相手に熱弁をふるっていた。
「すごく美味しかったんだよ!」
「夏希はいつも本当に美味しそうに話すね」
 初めてアオヤマにシフォンケーキを作ってもらってから二週間経ち、お母さんが忙しくてみんなで夕食を食べてはいないけど、これまでシフォンケーキを食べられたのは三回。一回目は普通のシフォンケーキ、二回目は紅茶味、三回目はチョコレート味で、お返しに私は時々美佐子さんのお店の手伝いをしている。
「次はマーブルにするんだってー! ホント、アオヤマはすごいよ!」
 興奮のままにここが教室だということも忘れてうっとりする。ところが、いつもならあきれたりする茜が今日は一言も話さない。俯いて、何か考え込んでいる。
「茜?」
 名前を呼ぶと、ややあって茜が顔を上げた。
「アオヤマ、ってもしかして青山幸輔?」
「知ってるの?」
 同じクラスでもないし、アオヤマは帰宅部のはずだし、知り合う機会も無いはずなのに茜が知っているとは意外だった。
「確か、四月の最初の方は剣道部にいたんだよね。一年四組の青山でしょ?」
「うん、四組だけど……」
「最初はちょっといたんだけどさ、家が忙しいとかですぐ来なくなっちゃって。でもうちの男子剣道部って人足りてないから一回試合に呼ばれてたはずだよ」
 アオヤマが剣道をやっていたことは知ってたけど、剣道部に入っていたことは全然知らなかった。アオヤマが戻ってきてからほとんど話してなかったから、当然かもしれないけど。
「青山くんなら、私も聞いたことあるよ」
 今度は香奈が言う。
「吹奏楽部の子が話してたの。一年生の間だとアイドル扱いされてるみたいよ?」
「ええー、アオヤマが?」
 ないないそれはない。アイドルなアオヤマなんてどう頑張っても想像できそうにない。第一アオヤマがモテるっていうのが考えられない。
「四組の子で青山くんに優しくされちゃった人が中心でね。夏希の話を聞いてると違う人に聞こえるけど……」

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